2018年4月18日水曜日

エキシビジョン I love you madly 〜 アントワネットとフェルゼン

こんにちは、mayukoです。

ストックホルムの旧市街ガムラスタン(Gamla Stan)にある宮殿内にある博物館、王室武器庫(Livrustkammaren)で去年の秋から開催されているエキシビジョン"I love you madly"のガイドツアーに行ってきました。
このエキシビジョンの内容はフランス王妃マリー・アントワネットとその恋人だったと言われているスウェーデン貴族のハンス・アクセル・フォン・フェルゼンについて。
コアなファンというわけではないですが『ベルサイユのばら』全巻をスウェーデンにも持ってきて愛読しているわたしとしては見逃せないエキシビジョンです。

王室武器庫は先述したようにストックホルム宮殿と同じ建物内にあります。

入り口は馬の看板が目印です。

宮殿の前にはフェルゼンが仕えたスウェーデン王、グスタフ三世の銅像が。

博物館は入場無料というのもありこのエキシビジョンも事前に一度見にきて予習しておきました(ガイドツアーは有料)。
ガイドツアーの参加者はわたしも含め中高年の女性がほとんど。結果からいうとベルばらを読んでいるわたしとしては特に新しい発見はなかったのですが、それでもベルばらを知らない人たちが語るアントワネットとフェルゼン、というのも新鮮な感じ。

エキシビジョンが行われているのは古い王室の馬車が展示されているスペース。
こんな風に素敵な馬車が並んでいますがフェルゼンとは何の関係もありません。
展示品は少なくほとんどが文章を読みながら進んでいくと行った感じです。

その中でもやはり一番グッとくるのは手紙のコーナー。フェルゼンはいつ誰に手紙を出したのかも書き残していたそうです。まめな男性だったんですね。アントワネットにはもちろん、妹のソフィーにもかなり手紙を書いていたようです。兄から自分がいかにアントワネットを愛しているかを綴った手紙が何度も届くソフィーさん、お疲れ様でした。

フェルゼンといえばハンサムで男らしいイメージを持たれている方も多いのではないのでしょうか?そしてみんな本当のフェルゼンがどんなだったかネットで検索したはず。
若き日のフェルゼン。なんか違う…こんなのフェルゼンじゃない。でもこれがフェルゼンらしいです。フェルゼンというよりハッセ(Hasse:Hansのスウェーデンでのあだ名)と呼びたくなる感じ。
ところでフェルゼン(Fersen)のスウェーデン語の発音は『ファッシェン』みたいな感じに聞こえます。

ガイドツアーで教えて頂いた事で一番びっくりしたのはフェルゼンはアントワネットが亡くなったその後、何人か恋人がいたらしいという事!死ぬまで一途にアントワネットだけを愛したと思ってたのに。

おまけとしてストックホルム、フェルゼン関連のスポットをもう一つ。フェルゼン家のお屋敷Fersenska Palatset。場所は王立公園、Kungsträdgården近くグランドホテルの隣り。ここにフェルゼンがじいやと住んでいたのね…。

建物にはストックホルムの歴史的なスポットに設置されているプレートが。

いつもパリにいるイメージのフェルゼンだけど本当にストックホルムにもいたんだ、と思えるエキシビジョンI love you madly、入場も無料なのでベルばらファンの方は是非ご覧になってください。


I love you madly
場所 王室武器庫(スウェーデン語 Livrustkammaren / 英語 The Royal Armoury)
住所 Slottsbacken 3, 111 30 Stockholm
開催期間 2017年10月27日〜2019年1月6日
入館料 無料
web スウェーデン語/英語







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2018年3月13日火曜日

ストックホルム、教会ジャズコンサート

こんにちは、mayukoです。

以前も書いたのですが、わたしは独り身(あんまり繰り返し言うことでもないけど)。週末ともなるとお友だちも家族やパートナーと過ごすことが多く基本ぼっち。それには慣れたのですが、問題は何をするか。土日のストックホルムの街は人が多く疲れるのでショッピングはパスしたいところ。映画や博物館もいいけど観たいものがいつもあるとは限らない。そしてなるべくお金をかけず楽しみたい。
でも特にやることなく、なんとなくカフェでフィーカしたり、家でダラダラ過ごすわけですが。

先週の日曜日は教会のコンサートに出かけてきました。
場所はセーデルマルムのSofia kyrka(ソフィア教会)。

開始は18:00ということで20分前くらいに教会に到着し控え目に一番後ろの席に座ります。コンサート開始時間にはほぼ満席に。出演者の家族などもいるのでしょうが、正直ここまで多いとは思っていませんでした。
 

出演者は教会の合唱団Sofia KapellkörとジャズトリオのSvenska Psalmjazztorion。Svenskaは『スウェーデンの』 Psalmjazztorionは『聖歌ジャズトリオ』。この聖歌ジャズトリオが気になってコンサートへ。

日曜のプログラムがこちら。
教会の鐘の音からコンサートはスタート。しかし特に聖歌や賛美歌などではなく、スウェーデンのジャズ、昔の歌などを中心に1時間ほどのコンサート。

ピアノ、ベース、ドラムと合唱団

職場の老人ホームでお年寄りと一緒に昔の歌を聞いているので知っている曲もあり楽しかったです。
職場では賛美歌もよく聞くのですがスウェーデンの賛美歌、なかなか良い曲が多い!スウェーデンの曲作りの上手さは昔からなのかもしれません。今回は賛美歌はありませんでしたが(あっても気づいてませんが)、教会音楽だからと堅苦しく考えずに音楽を聞きに行くのもいいのかもしれません。

今回、教会でのコンサートに初めて行ってみたのですが想像してた通り、さすがスウェーデン(?)かなりカジュアルな雰囲気。一人でふらりと行っても全然平気です。当たり前かもしれませんが、キリスト教への勧誘などはされません。
そして今回のコンサートは無料。最後に教会の音楽活動への寄付のお願いがあり、基本的にどの教会の無料イベントもこのような寄付があるのではないかと思います。こういう時にはあまりケチらずに寄付したいところ。
出口に置かれた寄付の壺

ガムラスタンの大聖堂など有名どころをはじめとしたストックホルムの色々な教会で無料、有料の音楽イベントが開催されているので興味がある方は是非チェックしてみてください。わたしはFBのイベントカレンダーをなんとなく見ていて見つけました。それぞれの教会のwebサイトでもイベントは確認できますがスウェーデン語のみのようです。

前述したようにスウェーデンの教会はカジュアルな雰囲気のところが多いですが帽子を脱ぐ、大きな声でおしゃべりしない、飲食はしないなどの教会での最低限のマナーを守ってコンサートを楽しんでください。


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2018年2月10日土曜日

Dalagatan 46 / アストリッド・リンドグレーンのアパートへ

こんにちは、mayukoです。

アストリッド・リンドグレーン(Astrid Lindgren)といえば言わずと知れたスウェーデンを代表する児童文学作家。スウェーデンの20kr札にも描かれています。

リンドグレーンとの出会いは確か小学校の1年生か2年生頃。ある日我が家に毎月本が何冊か届く定期購読の訪問販売が来て、たまたまその場に居合わせた本好きのわたしがねだりまくり親も「本なら為になるし…。」と購入してくれたと記憶しています。その後届いた色んなジャンルの本の中の1冊が『ロッタちゃんのひっこし』。
5歳のロッタちゃんが色んなことが気に食わず家出して隣のおばさんの家に引っ越した挙句に夜になったら怖くて泣いて家に戻る、しかもその行動に対して親が怒らないという。当時のわたしとしては色々ありえない内容なのですが、だからこそ惹かれたのか。母親が寝る前に読んでくれる本に何度もリクエストしその後自分でも何度も繰り返し読みました。引っ越し先の屋根裏部屋をロッタちゃんのおうちに模様替えしたり、ビオラ・リネアの食器や洋服を見つけたり、バスケットに入ったパンケーキを屋根裏部屋の窓から引き上げるシーンは何度読んでもワクワクしました。当時は作者がスウェーデン人なことはもちろんスウェーデンなんて国があることすら知りませんでした。
もちろんスウェーデン語版も持ってます

その後、初めてスウェーデンに来た時にはストックホルムのユニバッケン(Junibacken)へ。2度目のスウェーデンではヴィンメルビーのアストリッド・リンドグレーン・ワールド(Astrid Lindgrens värld)にも行きました。
ロッタちゃんのおうち

スウェーデンに引っ越した後もスウェーデン語コースのプレゼンの課題にリドグレーンを選んだり、去年はストックホルム・カルチャー・フェスティバルでリンドグレーンの足跡をたどるウォークツアーに参加したりし彼女のことを知れば知るほど大好きに。
ストックホルム市内の公園にあるリンドグレーンの像

リンドグレーンが住んでいたアパートがある場所Dalagatan 46は有名で多分スウェーデン人なら誰でも彼女の住所を知ってるのではないかと思うほど。

以前から前を通っては「ここにリンドグレーンが…」なんて思っていたのですが、そこが一般公開されると知ってからは「絶対行く!」と盛り上がったものの、アパート見学は毎日行われるわけではなく1回の参加人数も12人までと狭き門、常にフルブッキングの状態。
そんな中、みきちゃんお仕事でリンドグレーンのアパートへ、羨ましいったらありゃしません。みきちゃんの話を聞きながら「いつかわたしも…」と思うもののやっぱりいつ見てもフルブッキング。
そして最近またリンドグレーンのアパート行きたい熱が高まり予約状況をこまめにチェックしていたらついに空きを発見しかも休みの日!即座に予約しました。

そして先日ついにアパート見学が実現。当日はアパート建物の前に集合し、リンドグレーンのアパートへ。わたしはアストリッド・リンドグレーン・ワールドで買ったぶたのバムセと参加。バムセも生みの親のアパートに来れて嬉しいことでしょう。他のスウェーデン人参加者の皆さまは「ヤバいアジア人が来た…。」と思ったかもしれません(でも見学中はほとんどカバンの中に隠してました)。

まずは普通のお客さんのように玄関のコート掛けに上着をかけ靴を脱いでおうちに上がりるのですが、それが本当にリンドグレーンのおうちにお呼ばれしたみたいな感覚に。その後リビングルームに通されて案内してくれる方のお話聞き、各部屋を案内されます。
アパートは一般的に考えると広いのですが、キッチンはとても小さく親子4人で住むことを考えると広過ぎとは思えません。インテリアもSvenskt Tennのソファがあったりと素敵なのですが豪華というわけではなくごくごく普通の温かなおうち、といった感じ。有名になりお金持ちになったからと大きな家やアパートに引っ越したり、インテリアを豪華にしたりしなかったのもリンドグレーンらしいと言えるかもしれません。
アパートのいたる所に本棚があり寝室にはリンドグレーンがよく読んだ本や聖書が、その他の本棚には自身の作品が。各国の本に混じり日本語訳されたリンドグレーン作品も。
あまり色々書いたり写真を載せるとネタバレみたいになるのでたくさん書くのは控えますが、リンドグレーンのプライベートな一面が見れるファンにはたまらないアパート見学です。

『長くつ下のピッピ』が発表されたのが1945年、それから70年以上経った現在でも子ども向けの映像ストリーミングサービスの広告にピッピやエーミルが登場するなど時代や世代を超えて愛される作品を作ったスウェーデンの国民的作家がアストリッド・リンドグレーンなのでしょう。

ところでスウェーデン本国で人気なのはもっぱらピッピとエーミル、しかしわたしの中で1番のロッタちゃんの地位がイマイチなのが残念なところ。あの強情な女の子にはさすがのスウェーデン人も「ないわ〜。」と思っているのか…?






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2018年1月28日日曜日

ストックホルム、セーデルマルムのフードコートTeatern / 2018

こんにちは、mayukoです。

2015年の12月にセーデルマルムにオープンした話題のシェフを集めたフードコートTeatern。

駅の近くのショッピングセンター内のフードコートという便利さもあってランチやフィーカ、仕事帰りに軽く一杯など結構頻繁に利用しています。去年の大晦日には年越しそばならぬ年越しラーメン。トンコツって言ってるけど、絶対にトンコツじゃない何か、でも結構おいしい。

Teaternは以前KOKEMOMO Topicsでもご紹介しましたが、オープンから2年が経ちお店の入れ替わりもあったので改めてご紹介を。

The Fisheryはシーフードのお店。

温かい魚のスープや温製スモークサーモンのサラダ、フィッシュ&チップスなどがいただけます。生牡蠣を1個単位で買えるので牡蠣とワインで乾杯、なんてことも。

Galinas Pizzaは薪窯で焼くナポリピザ。マルゲリータなどの定番はもちろん秋にはアンズ茸のピザなどオリジナルメニューも登場します。

Dos Gringosはメキシコ料理ケサディーヤのお店。ここではまだ食べたことがないのですが、メニューがスペイン語(多分)で書いてあって全然意味が分からない…。

そして今、最も注目されているのが2015年、2016年のノーベル晩餐会の料理を担当し、ミシュランの星付きレストランを手がけるSayan IsakssonのNu
メニューには日本料理、韓国料理をベースとしたものが並びます。メニューのひとつプルコギスライダーの説明には食材のひとつとして『キューピーマヨ』と書くこだわりっぷり。

先日、お友達とこのNuでランチ。
わたしはDonburi "Kushiyaski"。メインのトッピングは鶏肉、しいたけ、豚肉から選べるので鶏肉をオーダー。
ごはんが雑穀米なのか玄米なのか、とにかくパラパラの食感で健康に良さそうなんですが箸で食べにくかったものの、味はとてもおいしかったです。そして右上にちょこっと写っていますが、食事を頼むと料理に使われたオーガニック野菜の野菜くずを利用したスープが付いてきます。

新しいお店がオープンしたということはなくなったお店もあるということで、そのなくなってしまったお店で一番残念なのがMagnus NilssonのKorvsiosk。ソフトクリームおいしかったのに…。


Teatern
住所 Ringen Centrum内(地下鉄グリーンラインSkanstull駅すぐ)
営業時間 月曜〜木曜 11:00〜21:00、金・土曜 11:00〜22:00、日曜 11:00〜20:00
朝食 月曜〜金曜 07:30〜10:45
Web Ringen Centrum /  Teatern 


関連記事
ストックホルムのフードコートK25(2013.07.30)
ストックホルムでひとりごはん(2015.09.13)
話題のシェフが集まるストックホルムのフードシアター(2015.12.10)







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2018年1月4日木曜日

H&Mカフェ、it's PLEAT

あけましておめでとうございます、mayukoです。

2018年、最初のKOKEMOMO TopicsはH&Mのカフェ、it's PLEAT。

H&Mは言わずと知れたスウェーデン発のファストファッションブランド。ストックホルム市内にはいたるところにH&Mが。
2017年11月末ストックホルム地下鉄T-Centralen駅前の通りDrottninggatan(ドロットニングガータン)にあるH&M内にカフェがオープン。
駅近くにはH&Mが2店舗あるのですがカフェがあるのはDrottninggatan56、デパートÅhlénsの斜め向かいの店舗、その建物の2階にカフェがあります(以前H&M Homeがあった場所)。


カフェの広さは中くらい?


オーガニックを中心としたヘルシー志向なメニューとなっておりビーガン、ラクトースフリー、グルテンフリーに対応したメニューも揃っています。

オーガニックのジュース

サツマイモやビーツのペーストとニンジンが乗ったシード入りクネッケ
クロワッサン、シナモンロールなどもあるのですがかなりのミニサイズ。コーヒーのお供にちょっと甘いものが欲しい時にはぴったり。

わたしはチキンとモッツァレラのオーガニックのライ麦パンのホットサンドとコーヒーを頂きました。

レジで注文する時に混んでいたためか「出来上がったら呼ぶから名前教えて」と。
スタバとかでもあるけど、外国でこれって結構めんどくさい。『まゆこ』って言っても「え?」って聞き返されたり。めんどくさいからスウェーデンでもアリな『マヤ/Maja』と言ったりする時も。今回は本名で。とりあえず一発で聞き取ってもらえました。

ホットサンドは思ったよりもチキンもチーズも入ってておいしかったです。ストックホルムでこれで59krはかなりお得。コーヒーもスモールで19kr。
コーヒーといえば、ストックホルムのカフェでコーヒーにラージとスモールのサイズがある場合注文時に「スモールで!」と言わないと、まずほとんどの場合サイズ確認されずラージサイズが出てきます。スタバとかは聞いてくれるけど。

そして食器が可愛いなー、もしかしてこれH&M Homeなの?と思ったら。

波佐見焼でした。

先日ご紹介したK-Märktもですが中心部にカフェが増えて嬉しい。
お買い物の途中のちょっと一休みにぴったりのカフェit's PLEAT、是非のぞいてみてください。



it's PLEAT
住所 Drottninggatan 56, 111 21 Stockholm(H&M 2階)
営業時間 月曜〜金曜 10:00〜20:00、土曜 11:00〜19:00、日曜 11:00〜18:00
web 英語/スウェーデン語


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H&M発の新ブランド & other stories(2013.03.22)
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2017年12月31日日曜日

スウェーデンの老人ホームで働くということ/その3

こんにちは、mayukoです。

年末恒例、職場での今年の1年を振り返ります。
2015年の2月に就職してもうすぐ3年が経とうとしています。
わたしの職場は以前このKOKEMOMO Topicsにも書いたのですがスウェーデンの民間老人ホーム。わたしはそこの定員10名の認知症ユニットで働いています。
スウェーデンの老人ホームで働くということスウェーデンの老人ホームで働くということ/その2

まずこの記事そして以前の記事について、これはあくまでもわたしが勤める職場の話であるということ、日本でもそうですが素晴らしい老人ホームもあればよくない老人ホームもありまさにピンからキリまで。ひとつの老人ホームを取り上げて『日本の、スウェーデンの老人ホームはこうである』と言えないということを踏まえて読んでいただきたいと思います。
そしてわたしが勤めるのはスウェーデンでもかなり大手の民間老人ホーム。そして福祉の業界で働く人にそこの会社に勤めていると話すと「あぁ…。」と言われるようなところです(職員の待遇が良くないという意味で)。
夏には庭になる野いちごを食べまくる

わたしの今年の最大ニュースは『スウェーデンの老人ホームには国が定める人員配置基準がない』ということを知ったこと。
事の始まりは本社が人員配置を見直すと言いだしたことです。
現在の平日の介護職員は1ユニット(利用者10名)につき2人。そして朝から昼食後まで2ユニットの間を行き来しながらヘルプする職員が1人(いるはずだけど職員不足でほとんどいない)。土日はそのヘルプの職員がいない、というもの。
この現状でもかなり厳しいのにそれを平日は1ユニットにつき2人、土日は1ユニットにつき1名、そして2ユニット間を行き来する職員が1人、つまり2ユニット20名の利用者を3人の職員で介護する、というもの。
この話が職員会議で発表された時はみんな怒りを通り越して呆れて物が言えない状態でした。
その会議の中で出たのが「うちの施設は民間企業が建てて運営しているので会社が人員配置を好き勝手に決めて良い」というもの。耳を疑いました。「いやいやいや、わたしスウェーデン語聞き間違ったよね?」と思い会議後にスウェーデン人の同僚に聞き直したけど本当らしい。以前は基本的に自治体が老人ホームを運営していましたが近年、民間に運営を委託することが増えたのです。そのため建物自体は自治体が建てて民間企業が運営している老人ホームも多くそこは自治体が人員配置などに基準を設けることができるとのこと。
施設長も現場を分かっているのでどうにか会社側が考え直すように努力してくれました。ご家族への説明後、本社に働きかけたご家族もいると聞いています。そのお陰かこの話はひとまず保留という形に。

この話の後、たまたま自治体の職員の方と話をする機会があり、国の人員配置基準がないことについて聞いてみたのですが「基準を決めてしまうとその最低ラインしか職員を配置しない老人ホームが出てくるため」とのこと。「じゃあ最低ラインを十分なものにすればいいことでしょ!?」と思ったけど言いませんでした。
職員のペット、みんなのアイドル犬

わたしのユニットは2年以上利用者の入れ替わりがありません。嬉しいことなのですが入所期間が長くなると介護度も高くなり現在では2人介助を必要とする方が半数以上、職員の体力的にかなり厳しくなっています。幸運なことに職員の入れ替わりもほとんどなくみんなが仲良くご家族の方々も優しい方ばかりでユニット全体が家族のような雰囲気も。お父さんは同僚のアフリカ人男性。ある男性利用者が「パパって呼んで良い?」と彼のことをパパと呼び出して(本当のお父さんじゃないことは分かっている)ユニットの職員みんなが彼のことを「パパ」と呼ぶように、年下なのに。夏にはわたし、同僚、女性利用者2名のそれぞれのご主人の誕生日を一緒にお祝いしたりも。
庭の野いちごをあしらった同僚手作り誕生日ケーキ

大好きな利用者とお揃いのhappy Socks

以前にも書いたのですが夏休み、年末年始などの休暇シーズンになるとなぜか病欠が増えるうちの職場。みんなが休みたい時期にはかなり早めに休みの希望をとってシフトを調整します。同時にそのようなみんなが休みたくなる祝祭日にあえて働きたがる職員も。理由はOB-ersättning、OB-tilläggと言われる割増賃金。OBとはObekväm arbetstid(Unsocial working hours)、夜間、週末、祝祭日などみんなが働きたくない時間に働くと割増賃金が支払われます。これは職種などで違うのですが、わたしの職場では土日、普通の祝日には1時間につき50.80kr、復活祭、夏至祭、クリスマス、正月などの大きな祝日は1時間につき99.30krがプラスされます。例えば今年のクリスマスイブはわたしは8:00から21:00までの勤務(1時間休憩)だったので1191.60kr(約1万6千円)が通常の給料にプラスされます。
わたしは家族もなくクリスマスなんてすることもないので職場で利用者や同僚と祝った方が楽しいし、キリスト教徒ではない同僚にしてもスウェーデンの祝日に働いてお金を稼いで自分たちの祝日に休む方が良いと祝祭日に働きたがる職員は案外多いのです。
しかしこの割増賃金も公立の老人ホームはもっと良く、お隣の自治体の公立老人ホームでも働くパートの同僚はそこでは大きな祝日には時給の99%が割増賃金、彼女の時給は約135krなので1時間につき約133krがプラスされるとのこと。
この割増賃金もそうですが民間老人ホームと公立老人ホームの待遇には差があり、今年の初めに民間老人ホームと公立老人ホームの介護職員の給料格差をなくすため組合が働きかけ賃金アップが実現しました(それでもまだ低いけど)。
祝日は稼ぎどき!

未だにSNSなどで『スウェーデンには寝たきりがいない』という記事を見かけるのですが『寝たきり』の定義とは?全介助が必要な方もパジャマから洋服に着替えてベッドから起きて車椅子などで日中は過ごすこと?それなら日本の老人ホームでも普通です。一日中パジャマで、ベッドで過ごすなんていつの時代の老人ホームでしょうか?そして『スウェーデンでは胃ろうは行わない』。スウェーデンにも胃ろうはあります。全てが『遅れた日本の介護』『進んだ北欧の介護』の先入観を元に書かれているような気がします。それに日本からの視察を受け入れているような老人ホームはきっと良い所でしょうし、もちろん良いことしか話さないでしょう。
誰も「うちの職場は職員のほとんどが移民で中にはスウェーデン語もままならなくて、利用者が言ってることも理解できなくて、スウェーデンの文化なんて屁とも思ってない人もいるし、職員の数が少ないから個別の行き届いた介護もできないし、アクティビティの時間なんて取れません!」なんて言いませんよね…(追記:もちろん移民で素晴らしい介護職員もたくさんいますが、待遇があまりにも悪いためか職員の質を確保するどころではなくとりあえず人数を確保するといった感じ)。
もちろんスウェーデンの介護にも良いところはあります、同時にスウェーデンが日本から学べることも多いと思います。何でもかんでも「北欧はすごい、それに比べて日本は」などというのではなく、政策的なことは別として現実的にお互いの現場で取り入れられるようなことは取り入れていけるようになれば、と思います。そして日本にはスウェーデンの失敗からも学んでいただければ…。

最後に2018年の目標はズバリ『転職』。転職といってもやはり老人ホーム希望ですが。スウェーデンで給料アップを叶えるなら同じところでずっと働くより転職、そして金儲けしか考えてない現在の会社で働くのはもううんざり。大好きな利用者やそのご家族、同僚と離れることそして正社員という安定した立場(どこも人手不足なのに正社員は高くつくから雇いたがらない)を考えるとなかなか転職へ踏み切れないのですが…。



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KOMVUX-スウェーデンの学校(2014.12.30)
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